eスポーツは流行らない。
今のままではね。
俺個人としては、流行らないであろう大きな理由が1つある。
それは「スポーツと称していながら、対戦相手への敬意が無い、マナーが悪い」こと。これに尽きる。
一般人が、該当ゲームのルールが分からないとか、そういうことはどうでもいい。なぜならばそれは、他のスポーツでも同様だから。ラグビーのルールだって難しいでしょう?
しかし、ラグビーは試合が終わることをノーサイドと呼ぶ。その意図は「試合が終了すれば、敵と味方、勝者と敗者の区別はなくなり、お互いの健闘を讃えよう」。
また、サッカーでは、互いの検討を称えユニフォームを交換することがある。
その他、多くのスポーツにおいて、敗者が勝者を称え、また勝者も敗者を気遣い、過度な喜びはあらわにはしない。
武道ではその傾向はより顕著であり、柔道、剣道、弓道、空手、相撲そのほか諸々において、喜びを露わにすると、よくて「あとで師匠にこっぴどく叱られる」、最悪「勝利取り消し」にさえなりうる。
ワールドワイドで見ても、テニスの審判が世界中の言葉の悪口に詳しい(そして暴言を吐いた選手にペナルティを科す)ことは有名な話。
いっぽうeスポーツはどうか。
そもそもゲームの歴史として、MMORPGにおけるPKや、カプコンのX-MENシリーズやvsシリーズにおけるKO後の死体蹴り、こういったものがルール制定側から許されてきていた。
近年のオンラインタクティカルシューターにおいても、死体蹴りやチャットによる暴言、回線切断、チートなどはまだ多く見られる。ルール制定側は、暴言や回線切断、チートへのペナルティを行っているものの、大きな抑止力になっているとは言い難い。
プロゲーマーチームのメンバーが、公式大会や野良大会やリアルタイム配信などにおいて、暴言を吐いて活動停止するケースがしばしば発生している。他のスポーツではそんなに無いと思うのだが、eスポーツは本当に多いと感じる。
プロゲーマーには、対戦相手への敬意を感じられない、見ていて不愉快になるようなケースが非常に多い。
プロゲーマー育成指導者(っていうのか?)が、そのようなマナー違反を行うメンバーに対して強く指導をしているかどうか、はなはだ疑問に感じている。
また、開発者として解説を行っていた人が暴言を吐いたという事象もあった。これはダメだろう。
さて、ここで大事になってくるのが、そのような「ゲームは強いけど感じ悪い人」に、スポンサーがつくか? という話だ。
プロゲーマーに支払われる報酬は大きく2つあって、1つは「大会の賞金」、もう1つは「スポンサー広告料」のはずだ。
前者はとにかく勝つしかないのだが、後者は「イメージ」というものがある。
大谷翔平や羽生結弦、八村塁、ラグビー日本代表に、なぜスポンサーがたくさんつくのか。それは「企業イメージを高めるから」「商品の宣伝になるから」だ。
「汚い言葉で相手を罵るプロゲーマー」に、どこの会社がスポンサーとなるだろうか。
「隙あらば死体蹴りをするプロゲーマー」に、どこの会社がスポンサーとなるだろうか。
いまは、とにかく裾野を広げたいせいか、とりあえず誰にでも門戸を開いているeスポーツ大会だが、死体蹴り、暴言、回線切断、チートなどを行う選手に対して厳しくペナルティを科して排除し、スポンサーに対しては「スポンサードしてくれれば企業イメージが高まりますよ」という方向に進めていかないと、スポンサー企業が集まらず、資金繰りで行き詰まってしまうのではないか。
奇しくも今年8月、全国高校eスポーツ選手権が発展的解消とのリリースがあった。
https://www.ajhs-esports.jp/news/2023/0808.html
たとえば高校生の大規模な大会といえば野球があるが、野球の子たちは、礼儀正しいという印象がある。
果たしてeスポーツをやる高校生に、そういう礼儀正しさはあったのだろうか。そういう指導者はいたのだろうか。
ゲーム業界人としては、eスポーツを応援する立場を取らざるを得ないが、jesuができて5年。まだ何も進んでいないように感じる。っていうか最初っからjesuは評判悪かったしね。
いずれにせよ、今のままではeスポーツの未来は暗い。よくて現状停滞。
jesuやNASEF JAPANが音頭を取って、もっと治安を良くなる方向に進んでくれればいいなと、切に願う次第だ。
https://jesu.or.jp/
https://nasef-nhec.jp/
ラベル:Eスポーツ