2011年02月05日

NGPに感じる一抹の不安

かつて、FCからSFCへと時代が移ったとき、SFCのウリの機能として、6ボタン、32767色、回転、拡大縮小などといった機能があった。細かいことは分からなくても、ローンチタイトルのマリオ、F-ZEROを見れば、その違いは一目瞭然だった。

時代はSFCから、SS、PSへと移る。
PCEが切り開いたCD-ROMでのソフト供給の道を整備し、ローンチタイトルのバーチャファイター(SS)、リッジレーサー(PS)が道を作り、3D時代が始まった。群雄割拠のPS,SS時代だったが、FF7がPSで発売となり、SSは沈んだ。同世代のハードとされるN64は、2年遅れの本体発売、すっかり慣れたCD-ROMに対し、もはや過去のものとなったロムカートリッジでの発売、CD-ROMに比べて高価格、新作出ないなどあってあえなく沈没。少数精鋭を謳った任天堂の高飛車な姿勢にサードパーティが反旗を翻したのも、ソフト供給失敗の一因。

そしてさらに次の時代。DC、PS2、GC、XB。
SSで敗北したセガが先陣を切ったが、本体の供給不足、VF3以外のローンチタイトルが謎、新作は一向に出ない、PS2がPS下位互換性を打ち出したのに対しDCはSSを切り捨てた、などの点から、売上は伸び悩んだ。一方のPS2は、PSとの下位互換もさることながら、DVD-ROMによるソフト供給がオイシかった。当時のDVDプレーヤーとしては、性能は著しく落ちるものの、価格が非常に安かった。ソフト装着率が1.0を切るという自体となり、本体は売れまくった。そしてGCは、下位互換性なし、DVD再生不可、容量不足と、PS2に比べてショボかった。ローンチタイトルがマリオの新作でなく、「ルイージマンション」という何もかもビミョーなタイトルだったのも今思えばマイナスか。性能自体はPS2より高かったが。。。 最後にXB。最大の問題点であったディスク研磨機能。傷物を嫌う日本人気質を読み切れなかったマイクロソフトは、「は? ディスクが傷付いたってちゃんとゲームできるしCDもDVDも再生できるんだから問題ねーよ」という姿勢。これが凄まじい反感を買い、日本では50万台も売れなかった。

そして現代。XB360、PS3、Wii。ぶっちゃけ詳しく知らないのであまり書けないが、現状Wiiの一人勝ち。その要員は、ファミリー層への普及が大きい。その新しい操作感、新しいゲームシステムは、コアゲーマーには不評だが、ライトユーザーには好評を博していることは説明するまでもないだろう。


一方、携帯ゲーム機はどうか。白黒のGBは画期的だったが、家庭用機がSFCになると、白黒のGBは滅びる寸前。ポケモンの登場で息を吹き返すと、GBCにて、FC以上SFC未満の色が出るようになった。GBAになり、ボタンが4ボタンに増え、性能は概ねSFCとなった。

そして新時代。DS、PSP。先に出たDSは、2画面、タッチパネル、無線通信、音声認識、GBA下位互換、パワーマネジメント。GBAとは比べものにならないほどの機能満載で、一躍トップに躍り出る。一方のPSPは、携帯できるPSということで、ローンチのリッジレーサーや三國無双は多少注目されたが、そのポリゴンの荒さは「PSだね」の域を出ず、同世代N64程度の3D機能を持つDSに大きく水をあけられた。DSは3Dであることよりも、タッチパネルや2画面に注力したからだろう。また、PSPの問題点としては、フライングディスクシステムや、それに対する対応、□ボタンめり込み問題と「仕様だ」発言と、DSに比べて大きく躓いた。その後、DSの脳トレバブルが弾け、モンハンのヒットにより、消滅するまでには至らなかったのは幸い。


省略したハードは可哀想なので、一応思い出せるだけ書いてあげる。FCD、PCE、MD、MCD、NG、3DO、NCD、PC-FX、VB、64DDなど。携帯機だと、GG、NGP、WSなど。他にも、ピピンアットーマークやN-Gageなんてものありましたが、まぁどうでもいい。


さて、ようやく本題。今現在のところ、3DSとNGPが、発売のときを今か今かと待っている訳だが、俺はNGPのローンチタイトルを心配している。スタートダッシュできるかどうか、だ。

FC→GB
FC→SFC
SFC→PS,SS
PS→PS2
PS2→Wii
GBA→DS
DS→3DS

上記の進化について、1つの切り口が見える。ずばり「進化」である。ただの進化ではない。「ユーザーに訴求力のある進化」だ。

FC→GB・・・白黒だけど、名人に「ゲームは1日1時間」と制限された子供達が、隠れてプレイするのに適したハードへ進化。
FC→SFC・・・色がキレイ! 回転する! F-ZEROカッケー!
SFC→PS,SS・・・ポリゴンっていうの? ゲームに奥行きがあるよ!
PS→PS2・・・DVDレコーダー爆安!
PS2→Wii・・・リモコンでゲーム? これならアタシでもできそう!
GBA→DS・・・画面2つ? タッチパネル? 何これ凄い!
DS→3DS・・・裸眼で3D!

というカンジ。一方、スタートダッシュに失敗したいくつかのハード。例えばDCは、ハード供給不足にくわえ、VF3以外は謎のソフトでユーザーに様子を見られる。XBは、ディスクが傷付くことへの反感。WSは「今更白黒?」などだ。

裸眼で3Dは体験してみればその凄さは分かる。3DSは良いスタートダッシュを切れると考えている。「裸眼で3D」は、訴求力たりえる。

一方のNGP。まだ謎のベールに包まれているが、今のところ、ユーザへの訴求力は薄く感じる。PS3をそのままNGPに移植できるとのことだが、据え置き現行機のゲームを携帯機に移植できることに何の意味があるのだろう。それをもって、誰に売るのだろう。ビジュアル面が(PSPに比べて)格段に上がるのは理解できる。それで売れるんだったら、PS3がWiiに負けている理由が説明つかない。CPUやGPUが優秀だからといって、それが売上に直結しないのはもう分かりきっていることだろう。ならば、改めて問う。NGPの魅力とは何なのか。

3DSに比べて、NGPの魅力が見えてこない。俺がNGPのスタートダッシュ失敗を懸念するのは、このような点からである。それこそモンハンがローンチで発売でもされない限り、3DSの後塵を拝すのではないだろうか。
posted by 小川 at 02:54| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする