リアル知人の方は知っていると思うが、俺はとある小さなゲーム会社に勤めるプログラマ(退職を申し出てもうすぐ退職するが)。出向で、北海道の某社や京都の某社、首都圏の某社や某社や某社に出向いたこともある。
まぁ、どこに行っても基本、ゲーム好きで詳しいヤツばっかなんだよな。ウチの会社含めて。取締役もプログラマもデザイナーも企画屋も営業も。せいぜい違うのは経理ぐらいだが、経理のオバ・・・オネエサンは、往々にして801絵師/文章書きだったりする。
さて、俺は基本的に『ゼロから企画を考える』ということが極めて不得意なのだが、企画書の書き方の基本ぐらいは抑えている。
その基本要素の1つに『ターゲット』というものがある。細かく説明するまでもねぇよな。コロコロやジャンプの漫画が原作だったら『小学生男子』。続編物は、『前作経験者』。シューティングや格ゲー、音ゲー、スポーツ、カードゲーあたりは、『そのジャンルが好きな人』。
ところが最近は、サブターゲットに『
FC世代だった親』っていうのが増えてきている。
まぁ、分からなくもない。FC世代の連中は、20代後半から30代。結婚し、子供が生まれ、生きるだけで精一杯っていう人たちを『今一度呼び戻したい』という気持ちは分かる。
だがコレがダウトだと俺は思う。一般サラリーマンではない俺の例を出しても参考にならないかもしれないが、ちょいと書いてみよう。
08:30 起床・メシ・身支度・時間が余れば娘と戯れる
09:30 家を出る
10:40 出社
11:00 始業時間
19:00 終業時間だが当然のように残業
21:00 そろそろ帰るか
22:30 帰宅・メシ
23:00 洗濯物干す(嫁はその間、洗い物)
24:00 自由時間 ただし娘が泣いたら俺か嫁かが飛んでいく その場合
ゲームは放置25:30 風呂
26:00 自由時間
26:30 寝る
ゲームやれるのは、
- 通勤電車の中
- 会社(これはある意味ゲーム会社の特権だなw)
- 自由時間
だが現実には、自由時間でしかゲームはやってない。電車ン中では寝てるし、会社ではサッサと仕事終わらせて帰りたいし。
ただ、この自由時間には、マンガ読んだり、こうやってチラシの裏に落書きしたり、人の日記読んだりする時間も含まれている。ゲームをやってる時間は、上記を省けば1時間半ぐらいはできる・・・っていうのが関の山。
なぁ、こんな俺が、PS3や360の超大作をやる暇があると思うかい? 娘が泣いた瞬間にセーブや、最悪でもポーズをかけることのできないゲームを、やると思うかい?
やんないんだよ。すっかりやらなくなったよ。据え置き機。細かい空き時間はポツポツあるけど、腰を据えてじっくり6時間なんてのは、夢のまた夢。
今と20年前とで、30代以上の人がゲームする割合は、実は大して変わってないんじゃないかと思うんだ。印象論だけどね。
今・・・家庭を持ったFC世代がゲームから離れている。
20年前・・・(俺らの)親はゲーム否定派だった。
んで、未成年の数って、FC世代の俺らが子供だったころより、随分減ってるのは、資料出すまでもないよね。子供の数が20年前に比べて純減ならば、売れるゲームソフトの数も純減だわな普通に考えて。
ゲーム会社としては、純減では困るから、子供に売るついでに、「FC世代だった、親にも買って欲しい」と願い、企画書には冒頭のようなターゲットを書く訳だ。
でもよ、家庭持ちに売れるわけねぇんだよ据え置き機が。やる暇ねぇんだもんよ。そうでなくなって、FF7以降の長ったらしいムービーとか、1日あけると誰が誰だかわかんねぇストーリーとか、そもそもどこ行きゃいいかすら忘れるような広大なマップとか・・・萎えまくりなんですよ。
大作が売れねー売れねー嘆いてる大企業を見てると、アホじゃないかとさえ思うよ。
で、Wiiの考え方は、俺ら家庭持ちにジャストフィットしたんだよ。Wiiスポーツがあんな単純なゲームなのに、なんであんだけ売れたか?
ルールはシンプル。難易度が低いから、ゲーム無知な嫁や親でもやれる。対戦もそこそこ盛り上がる。
ワンゲーム数10分。DSもうまく隙間時間を狙ってきたよな。通勤電車ン中でできるし、セーブできそうになければとりあえずフタ閉じとけばスリープで1日は電池が持つ。昼休みにでもセーブポイントまで辿り着けば良い訳だ。
PSPは、立ち上げ時にそういう発想が無かったからな。PS2のゲームを携帯で! 綺麗でしょDSなんて子供騙しさー! てね。モンハンでようやく盛り返してきたかな。
・・・ということで、据え置き機? うん、まぁせいぜいがんばって作ってくださいや。と思う次第なんだ。